恥ずかしいやつら(グランディア3)
クリア記念にユウキ×アルフィナで。公式にここまで主人公カプをくっつけようという演出が多いRPGは珍しいのではないでしょうか。序盤からイチャイチャし過ぎ→むしろ親公認→中盤で仲間公認→街や村の人々の公認→子供までできちゃいました。…という展開は凄いです。対象年齢12歳以上になっているこのゲーム、恋愛マークがついているのはどういうことですか。
個人的にユウキはウルよりもロッツと会話してる方が好きです。仲間よりも親友というポジションがいいのかもしれない。
「ユウキ、私そこのお花屋さん覗いてくるね」
手を振りながら駆けてゆくアルフィナの背中を笑顔で見送り、ユウキは隣から感じる視線に目を向けた。
「…何だよロッツ」
「いや別にー? ただ相変わらずお前ら仲いいなーって」
ニヤニヤと含みのある笑みを浮かべながら肘でつつかれる。ユウキは「ハハハ…」と目を泳がせてみたが、ロッツの視線が切れることはなかった。
「どうせ毎日好きだーとか言ってんだろ? 今さら照れんなって」
ユウキとアルフィナは本当に仲が良い。二人が本当にそういう仲になる前から周囲に間違われるくらいだったのだから、ロッツの言う「今さら」というのは見事に的を得ていた。アルフィナはどうだか知らないが少なくともユウキにはその自覚があったし――なんといってもユウキはアルフィナに一目惚れだった――、彼が自覚していることも周囲は知っているからこそ遠慮なく彼らを冷やかすのだ。
だからロッツのからかいの言葉も、いつものユウキなら軽く流すのだが…
「好きって…そ、そんな恥ずかしいこと言えるわけないだろ!」
意外にも頬を紅潮させて反論した。ロッツは「へえ?」と首をかしげる。
「なんか意外だな。お前ら見てると全身で好きですって言ってるようなもんだしさ」
「そ、そんなことは…」
「あるだろ」
「……ある、かな?」
「ある」
きっぱりと断言されて、ユウキはまたもや「ハハハ…」と笑って誤魔化した。
「俺はほんとに意外だと思ったぞ。そんなに恥ずかしいか?」
真剣に語るロッツにユウキは苦笑いで答える。
「いやぁ、ほんと今さらなことだしさ。別にそういうのはあえて言わなくてもいいっていうか…」
「――ごちそーさん」
暗に言葉じゃなくても通じ合ってるとでも言いたげなユウキの言葉を、ロッツはさっさと自分から切り捨てた。自分から振ったネタではあるが、見せつけられるだけでなくノロケまで聞かされては堪らない。
ロッツがひとつ舌打ちでもしたい気分になったとき、ユウキの名を呼ぶ声が聞こえた。
「ユウキー、見て見て!」
両手いっぱいに花を抱えたアルフィナが駆けてくる。転びそうになるのをユウキが難なく抱きとめると、アルフィナは嬉しそうに笑った。
「あのね、最初は白と赤の花を買ったんだけど、お店のお姉さんがおまけに青い花もつけてくれたの。綺麗でしょう?」
ほらいい香り!と花に顔をうずめるアルフィナを、ユウキもまた嬉しそうに見つめる。
その姿を見て、ロッツは確かに「好きだ」なんて言葉はこの二人には今さら過ぎて必要のないものなのかもしれないと思った。ユウキは恥ずかしいと言ったが、それ以上に見ているこっちが恥ずかしくなるのもまた事実なのだ。
あーあちくしょう羨ましいぜと、ついつい本音が口から飛び出そうになったとき。ロッツは耳を疑うような会話を聞いた。
「やっぱりアルフィナは花が似合うな。すごく可愛いよ」
「そうかな? ユウキは飛行機に乗ってる時が一番カッコイイ!」
「アルフィナだって空が似合うよ。髪が風でなびくときとか見とれるくらい綺麗だもんな」
「そんなことないよ。ユウキの真剣な横顔だって…」
おいおいおい。誰が、何が恥ずかしいだって?
「ユウキ、アルフィナ…」
脱力しながら声をかけると、彼らは幸せいっぱいの顔で振り返った。
「「なに?」」
ロッツは、二人を冷やかすのも忘れ、ただひたすら早くガレージに戻って仕事したい…と真剣に思ったとか思わなかったとか。
>> DATE :: 2005/08/22 Mon