ネ タ 蝶 



抱っこ(TOI)

 エルとかシアンは抱っこしてくれるのに、スパーダのハグは即行でお断りする聖女様が好きです。
 スパーダはずっとこんなあしらわれ方をしてればいいと思う。
「なーアンジュ姉ちゃん、抱っこしてくれへん?」 
「もちろんいいわよ。 おいで、エル」 
「えへへ〜やっぱり姉ちゃんフカフカや〜〜」 
「あーエルばっかりズルイ!ねえアンジュ、私も抱っこして〜」 
「あらあらイリアはエルよりお姉ちゃんなのに……うふふ、でもいいわよ」 
「やったー! わ、ほんとアンジュって柔らかい! 気持ちいー!」 
「そう?お気に召していただいて良かったわ。 ついでだからルカ君もどう?(ニコッ)」 
「え、え、ぼ、ぼぼ僕はそんな……」 
「あらぁルカは当然お断りするわよねぇ〜」 
「(ビクッ)あ、当たり前じゃないか!」 
「イリア、そんなに据わった目で睨んだらルカ君じゃなくても断ってしまうでしょう。 じゃあ代わりにリカルドさんいかがですか?」 
「オレは結構だ」 
「ええ、あなたならそう仰ると思いました(ニコッ)」 
「……」 
「ハイ、ハイハイ! アンジュ、オレ立候補する!」 
「スパーダ君は駄目です」 
「なっなんでだよ!?」 
「駄目ったら駄目(ニコッ)」 
「どうし…」 
「 駄 目 よ 」 

>> DATE :: 2007/12/17 Mon


愚かなところ(あかく咲く声)

「あかく咲く声」より坂本&辛島コンビ。

なんだかんだと辛島くんは坂本に素直に自分の心情を話してたりしたらいいと思う。
(でもその大半が国府さんへのノロケだったら萌える)
「この傷のこと国府は知ってるのか」 
「……」 
「やっぱりな」 
 辛島の右腕には包帯が巻かれている。もちろん制服に隠れているので見えるわけではない。しかし触れば痛いのだろう、さっき思わず掴んでしまった時は一気に表情が歪んだ。 
「だから今回のは引き受けるなってオレは忠告したんだよ」 
「うるさいな。 たまたま油断しただけだ」 
「その油断で次はもっと酷い怪我をしたらどうするんだ。これはもう国府に話して…」 
「坂本!」 
 珍しく辛島が言葉を荒げた。ここで「言うな」と命令形の言葉を使わなかったのはさすがだ。辛島は普段から自分の言動に気をつけている。 
 だけど、そのせいで辛島は飲み込む言葉がとても多い。それは卑怯だ。少なくとも辛島の言葉を共有できる国府は、辛島のことを残らず知った方がいいとオレは思う。 
「国府が心配してるってのはお前が一番良く知ってるだろう。国府に話す義務がオレには無いとしても、国府にはお前のことを知る権利があると思うね」 
「―――怖いんだ」 
「あ? 国府ってお前に怒ることあるわけ?」 
 想像してみたがいまいち上手くいかない。国府はいつだって辛島を甘やかしている。国府は辛島が一番甘えているのはオレじゃないかと言ってはいるが――実際辛島もそんなことを言ってはいたが――それでも国府が辛島を怒るとは思えない。 
「国府さんは怒ったりしないさ」 
「じゃあ何が怖いって」 
「泣かれるのが怖い」 
 正直なところ、そんな切り返しがくるとは思わなかった。だからつい、言葉が詰まってしまった。 
「坂本――自分の大切な人が自分のために涙を流してくれる、でもその涙がいつか自分以外の人間のために流れることがあるかもしれない。それを考えたことは?」 
「……ないな」 
「僕は考えてしまう。そして、それがひどく怖い。僕は迂闊に泣くなとは言えないから」 
 好きな人の涙すら止めることを憚れる辛島の声は綺麗だが重い。 
 実際のところ、国府は泣いたりはしないだろう。だが、それは辛島に泣くなという言葉を使わせたくないから我慢しているだけかもしれない。辛島の好きな彼女は、辛島を好きになった彼女は、そういう人間だ。 
「なら、お前が仕事を引き受けなきゃいいだけの話だろう」 
「――簡単には捨てられないものもあるんだ。人は強欲だから」 
 そう言って、辛島は少し寂しそうに目を伏せた。 
 
 好きな人に愛される幸せを知っても、必要とされる心地よさは捨てられない。 
  
 辛島はバカだ。もっと簡単に生きられる方法だってあるのに。 

>> DATE :: 2007/11/13 Tue


そこには(幻水3・ルクセラ)

 久しぶりにルクセラを。本当はテキストコンテンツに入れるほど長く書きたかったのですが、どうにも難しくなってしまったので短縮してここへ入れてみました。
 アルベルトとユーバーが書けて嬉しかったです。以上。
 そこには、花が咲いていた。 
 
 セラがルックより遅く起きることは皆無だった。 
 いつでもルックが目を覚ます頃には身支度を整えて、朝の挨拶をする。 
「おはようございます、ルックさま!」 
 セラが挨拶をしたのはもちろん部屋を訪れた時だが、外から声をかけてくる場合もあった。ルックの寝台は窓際にあり、身体を起こして窓の外を覗くと、ちょうど草花に水を遣っているセラと目が合うのだ。 
「ルックさま、きょうはとても良いお天気ですよ。お花もみんなげんきです」 
 花といっても花壇にするような華やかなものではない。種が勝手に根を張り勝手に花を咲かせた、いわゆる雑草だ。だから放っておいても成長するのだと言い聞かせても、セラはよく世話をした。 
 セラの撒く水は陽の光をあびて虹を作る。 
 ルックはそれを見る。セラは微笑む。 
 
 ああ、そこにはセラがいた。 
 
 
 目を覚ますと、聞きたくない声が耳に入ってきた。 
「お目覚めですか。 だいぶお疲れのようですが」 
「っは、人間は脆弱だな」 
 アルベルトの言うように疲れでもたまっているのだろうか。庶務机でいつの間にかうたた寝をしてしまった自分に舌打ちをし、ルックはユーバーを睨みつけた。 
「僕は人じゃない。お前は何度言ったら理解できるんだ」 
「どうとでも言えるさ。 紋章を持っているうちは」 
 帽子を目深に被ってはいるが、その奥で不気味な蛇目が嘲笑していることをルックは知っていた。ち、と再度舌打ちをした。 
 ふと、一人欠けていることに気づき周囲を見渡した。 
「セラは?」 
「先ほど外へ出たようですが……何か?」 
「いや……」 
 特に火急の用件があるわけではなかった。セラがいない、それが気になっただけだ。たったそれだけなのことなのだが、ルックにはひどく重要だった。何が重要なのかは本人にもわからない。 
 うたた寝をしていた机から立ち上がり、窓の外を見た。ハルモニアの神官将ともなれば宮殿の上部にある部屋を与えられる。国を一望できるほどの眺めだが、ルックにはどうでも良かった。 
 外は晴れていた。青空なのかもしれないが、ルックに色彩は意味がない。 
 夢の中では幼いセラが天気が良いと言っていた。セラの撒く水には七色の虹がかかっていた。ルックを見て、セラが微笑っていた。外では、セラが。 
「外に何かあるのか?」 
 窓から外を見下ろすルックに、珍しくユーバーが興味を示してきた。 
 ルックはいや何も、と首を振る。  
「―――花が咲いているだけさ」 
 
 ルックの視線の先、窓の外。 
 そこには。

>> DATE :: 2007/08/30 Thu


「オレ 背ェ高いヤツキライだし!」(おお振り)

利央と準太のコンビが何気なく非常に好きだったりします。利央は常に準太に虐げられているといい。そんな桐青・新バッテリーに期待です。(もちろん和さんも大好き!)
田島と利央のメルアド交換ネタはオイシイと思います。
田島が背ぇ高いヤツ嫌いネタもオイシイと思います。
「準サ〜ン、オレって背ぇ低くないよねェ?」 
「喧嘩売ってんのか利央。 お前が低かったらオレとかどうなるわけ」 
「ちょ、怖い準サン…。 って、そうじゃなくって!これ見てよ!」 
「んだよ、携帯のメールじゃん……えっと『背ェ高いのがキライ』って、ぷっお前ふられてんじゃんコレ。相手どこの女?」 
「ち・が・う! これ田島っスよ、田島。 ほら、西浦の四番」 
「あー…って、お前なにメルアド交換してんだよ」 
「だっていろいろ聞きたいこととかあったんだもん。 でね、とりあえず探り入れようと思って、得意なタイプと苦手なタイプを聞いたんスよ」 
「ふんふん」 
「そしたら『ゲンミツに全部得意!』とか返ってきて。こいつアホっすね、ゲンミツって意味わかんないし」 
「…お前にだけは言われたくねーだろな、こいつも。 で、苦手なのは?」 
「それがこの返事。『背ェ高いのがキライ!』ってさ。会話になってねーもんこれ」 
「……まあとりあえずお前が嫌われてるってのはわかった」 
「え、でも嫌いだったらメルアド交換とかしなくない? つーか顔会わせたの一瞬なのに!」 
「はいはい、会った瞬間に鬱陶しかったんだろお前のこと。メルアド交換せがまれて、さっさと追い返したかったから嫌々教えたんじゃねーの」 
「準サン、ひどい!」 

>> DATE :: 2007/08/06 Mon


オレらの一番は小柄で辛口(おお振り)

おそらく美丞戦後、泉と水谷。
美丞戦は泉の成長というか強気が見れて嬉しいと同時、水谷とのやり取りが最高に可愛らしくて非常に美味しい試合でした。
現段階で勝敗は決まってないけど、西浦、がんばれ!!
 両打だから何かが凄いってわけじゃない。少なくともオレはそういう自覚がある。もちろん、相手投手の利き腕によって打席を変えられるのは利点といえば利点かもしれない。でも投手ってのは常に利き腕に都合の良い打者を相手にしてるわけじゃないんだから、やっぱり大きな意味は無いと思う。 
 んじゃーオレの役目ってどんなんだろ?と考える。体型は田島と似たような軽いチビ。だから長打は少し難しい。美丞みたいなシフトを組まれたら、打ち上げた瞬間にオワリだもんな。だからといって田島ほどのセンスがあると言い切るほどオレは自意識過剰じゃない。ポジションは外野がほとんどだけど、肩がすっげー強いわけでもない。少なくとも桐青戦の最後で花井が見せたバックホーム、あれは絶対に真似できない。 
 ……おいおい、オレってマジで中途半端なんじゃね? 
 
「でもオレからしてみれば泉は羨ましいところばっかだけどねー」 
「はぁ?」 
「何その冷めたリアクション。だって一打席目以降は緊張しないんだろ?その緊張する一打席目だって必ずいい結果残すしさー。あ、選球眼もばっちりだよね。ボール球絶対に振らないでしょ?足速いから出塁率高いし、守備範囲だって広いしねー」 
「……そりゃどーも」 
 
 でも、ちょっと振り返ってみる。 
 緊張するのは一打席目、でも投手だって最初は緊張するもんだろ。三橋は例外として。だったらおあいこだ。オレが結果を残せたのは、こうは思いたくないけど緊張してる投手のおかげか偶然が重なっただけかもしれないんだ。選球眼、これも良いのかどうか自信は無い。明らかなボール球には手を出さない、それだけだ。足…は、速い、か?田島とかのが全然速いじゃん。 
 ……あ、ヤベ、ちょっと情けなくなってきた。 
 
「だからさー、泉が一番打者っていうのはオレらにとっては凄く頼もしいと思うわけ!」 
「はぁ?」 
「……だから何そのリアクション、もうちょっと嬉しそうにしてよ。泉って割と冷静だけど負けず嫌いじゃん?そういう強気が最初にあるっての、すごく大事だとオレは思うんだよなー」 
「……そうかな」 
「そうそう!オレだって泉の強気に引っ張られること多いし。やっぱオレらの一番は泉じゃなきゃってのは皆も同じだと思う」 
 
 結局のところオレが必要とされてるのは、両打の利点でも打率でも出塁率でも度胸でも選球眼でも足の速さでも無いような気がした。でも、不思議と情けなさはなくなった。 
 
 オレらの一番、だって。 うん、悪くねえ。 
 
 誰よりも最初に打席に入って、相手投手に集中する。飛び出しそうな心臓、逃げ出したくなる足、震えが止まらない手はベンチを出る前に黙らせた。あんまりオレをなめんなよ。オレには誰よりも先に塁に出るって使命があんだよ。やってやるしかねーもんな! 
 
「だからほんと泉が羨ましいよ。オレは自分のどこから伸ばせばいいかなー」 
 
 オレが強気ってのは、今度はユルイこと言い出した水谷の弁だ。 
 そ、オレは強気なの。 
 だからオレはニヤリと笑って親切心で言ってやる。 
 
「とりあえずお前は緊張しないようにすることと、サードランナーやってる時の無意味な笑顔やめるところからハジメロ」 
 
 泉、キッツイ!と悲鳴を上げる水谷を笑ってかわし、オレはグラウンドを見た。 
 次の試合のオーダーはまだ分からない。でもオレの役目ってのは分かった気がした。打って走る、走って取って、投げる。 
 今はそれが分かっただけでも充分…………じゃねえな。 
 
 もっと、もっと上を目指さねーと!

>> DATE :: 2007/08/01 Wed




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