ネ タ 蝶 



ベタなルクセラ

 ほんと、一度はベッタベタなルクセラを書いてみたいです(笑)
 その一本一本が透けて見えそうなほど薄い色素のそれを手に取ると、確かにさらさらとした気持ちの良い手触りはあるのだが、その色に反してなかなかのしなやかさがあることに気づく。 
 ――もったいないな。 
 そんなことがルックの頭をよぎる。 
 一つまみしてある程度の束を作り、ハサミを入れようとする刹那、ルックの思考は溜息となって口からこぼれた。 
「…ルック様?」 
 セラが振り返ると同時に、ルックの手からそれがさらりと音を立てて放れた。何事もなかったかのように元の位置へ戻ると、透けそうな金色は少しだけ色合いを深めた。 
 セラの髪は白金色で、いつ見ても彼女の存在そのもののように儚く感じる。 
 ルックはもう一度溜息をつくと、傍らにある小さなテーブルにハサミを置いた。そしてセラの隣にとさっと力なく腰掛けた。 
「――やっぱり切るのかい?」 
「はい」 
 さも当然だとばかりに首を傾げるセラに、ルックは三度目の溜息をつきそうになる。

>> DATE :: 2005/03/22 Tue


パロディもの

 本当は幻水とハリポタの世界観を取り払ったパロディにする予定だったネタ(の一部分)。勿体無いので、いつかは幻水1〜4をまたにかけたアホっぽい話を書きたいと思っております。
 その時、セナは甲板の雑巾がけをしていた。 
 カタリナやケネスなどは軍主がそんなことをするもんじゃない!と雑巾を取り上げたが、セナは自分が好きでやっているのだから返せと文句を言った。 
 巨大船の甲板は、端から端まで一直線に雑巾がけをするだけで息の上がるほどの広さはある。しかしセナはふんふ〜んと鼻歌を歌いながら軽やかに雑巾を滑らせていた。鍛錬中のカールの足元をちょっとゴメン!と言いながら物凄いスピードで磨き上げ、それを眺めていたヘルムートを心底呆れさせた。 
 ミレイ・ヘルガ・グレッチェンのセナ親衛隊はそのようなことは私たちが!と競って手伝おうとしたが、セナは誰の願いも聞き入れなかった。 
「なんで趣味を邪魔されなきゃならないんだ」 
「そりゃ自分の上に立つ人物の趣味が雑巾がけだなんて、誰だって許せないだろう」 
「雑巾がけだけじゃないぞ。 掃き掃除だって薪割りだって好きだ」 
「そんなことで胸を張るな! とにかく、そんなことを趣味とする軍主は情けないものだ」 
「そうなのか?」 
「お前はグレン団長が雑巾がけをする姿を想像できるのか」 
 ケネスの溜息交じりの声に、セナは少し考えた後に明るく笑った。 
「楽しそうだな、それ」 
「想像するな!」 
 ケネスはがくりとうな垂れた。 
 もともとの小間使い気質が身に染みきっているせいか、セナは上に立つ者としての自覚をすとんとどこかへ落としてくることがある。それを拾い上げる役目は本来ならリノ王やエレノア軍師なのだろうと思う。しかしどちらもチンピラな容姿やら酒びたりの日々が常なので、どうにも説得力に欠ける。 
 そうして騎士団仲間のケネスらがセナを立派な軍主にしようと奮闘するのだが、当のセナはそれをものともせず奔放な日々を過ごしていた。 
「だってさ、目の前に汚れがあったら磨かずにはいられないんだよ」 
 などとほざく始末だ。

>> DATE :: 2005/03/18 Fri




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