終 戦 の ロ ー レ ラ イ 語 り |
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時は第二次世界大戦末期、1945年7月。 戦争の意義を見出せずに戦う少年がいた 過去に囚われ、未来を見ることを忘れた男がいた 自らを恐怖に仕立てて人生を賭けた青年がいた 「あるべき終戦の形」を描いた人間がいた そんな彼らの物語、それが「終戦のローレライ」。 耐えてくれ、ローレライ。 おれたち大人が始めたしょうもない戦争の痛みを全身で受け止めて、行く道を示してくれ。 この世界の戦をあまねく鎮めるために。いつか、悲鳴の聞こえない海を取り戻すために。 |
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▼《伊507》乗員 |
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▼浅倉一派 |
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▼その他 |
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●上等工作兵。17歳。
●第二次世界大戦下において、非常に純真且つ真っ直ぐな性格を持つ少年。主人公の一人。 ●素潜りの能力を認められて、ローレライ回収作戦に召集される。掌砲長曰く「目が早い」らしい。 ●戦う理由・守るべき存在が見つからず戦争に意義を見出せないでいたが、パウラとの出会いでそれを掴むことになる。ぶっちゃけ、ただの一目惚れ。 ●基本的に大人たちに可愛がられている。最初にフリッツの心を溶かしたのも征人。動物に例えたら、絶対癒し系の犬だと思う。 ●映画版では妻夫木聡が戦争に意義を見出せないどころかバリバリ特攻志願の征人を演じてます。折笠の読みがオリガサに変わっているのが謎。 【好き台詞】 「清永と同じです。少尉をぶん殴りたい」 「あんたたち大人が始めたくだらない戦争で、これ以上人が死ぬのはまっぴらだ……!」 「これより本艦は、絹見艦長最後の命令を実行に移す」 「艦長も、掌砲長も、フリッツ少尉も……。みんな、どこに行くのも自由だと言った。君はどこへ行きたい?」 |
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●少佐。《伊507》艦長。43歳。
●出世街道からはずれ、妻にも逃げられ、子供もいない寂しい軍人。おまけに自殺した義弟の亡霊に悩まされている。主人公の一人。 ●浅倉大佐の密命によるローレライ回収作戦、《伊507》乗務員との交流、《しつこいアメリカ人》との海戦、そして決戦。それらを通して彼は日本の未来を考える。 ●フリッツ曰く「こんな狂ったやり方、ナチの連中だって思いつかなかった」作戦を敢行する熱い艦長。 ●最初から絹見を「マサミ」と読める人がいたら見てみたい。(私は映画を先に観たから大丈夫だったけど) ●映画では役所広司がヒーローそのものの艦長を演じている。私は原作の弱い人間臭さがある艦長の方が好きです。 【好き台詞】 「来いっ!水兵ども!」 「屑鉄の意地を見せてやる」 「ローレライは、あなたが望む終戦のためには歌わない」 「両舷前進全速。……さあ、帰るぞ」 |
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●少尉。元ドイツ親衛隊(ナチスSS)士官。祖母が日本人、パウラの実兄。21歳。
●無口・無愛想で偉そうな上に序盤は汗をかか(け)ない体質だった。 ●黒服・制帽・黒い長髪・長身の美形。この存在自体が第二次世界大戦から浮いているが、彼も物語の主人公の一角を担っている。 ●パウラと共にドイツの人種改良計画(通称リンドビュルム計画)に巻き込まれ、壮絶な過去を経過し、今に至る。ローレライ回収のために事件を起こすが、その後《伊507》乗員たちとの交流で、餓鬼の道とは違う道を見つけることになる。征人・艦長・掌砲長に大感謝だ。 ●愛すべきシスコンだが、ある程度は分をわきまえている辺りが可笑しい。(その八つ当たりを受けるのが小松だと信じて疑わない人がここに) ●パウラ曰く「沈着冷静、すべてに達観したような顔をしていながら、ひとつのことに集中すると他のなにも目に入らなくなる。子供の頃から変わらない単細胞」…散々だ。 ●中盤以降は敬語というものが彼の中から消えてなくなる。タメ口万歳! ●ふとした拍子にドイツ語を使う。作業中は髪を束ねるが、終わるとすぐにほどく。用もないのに艦内をぶらついている姿が多いのは気のせいか。 ●お婆さんが教えたとは思えない日本語を平気で操る。ドイツ語・日本語がペラペラでも「ゼーレンブレッヒャー」を即座に「精神的衝撃波」と訳せる人なんて他にはいない。その割に、ことわざ等は知らないらしい。字も上手くない。ついでに音痴だったら嬉しい。(あくまで願望) ●ワルサーP38愛用という辺りがまたツボ過ぎてたまらない。 ●日本名は「シンヤ」。画コンテ集では「故郷での俺の名だ」って言った…!(嬉泣) ●映画では人体実験途中に死亡したことになっている(泣崩)。上映時間の関係上で主人公に3人も立てるのは難しいと断定されたから削られたというのが表向きの噂だが、設定の容姿が実写化不可能だからという私を含めた痛いファンの予想もなかなか的を得ていると思う。 ●とりあえず私の愛を一身に受けている御方。 【好き台詞】 「恐怖を克服するには、自らが恐怖になってみせるしかない」 「知るか」「知らん」「了解だ」 「In der letzten Zeit schein Orikasa hayfiger hier gewesen zu sein.」 「おれたちの艦を取り戻すぞ」 「知ってるか? 日本では、それを餓鬼の道と言うんだ」 「自分で考えて、自分で決めたことだ」 「心配するな。おれがお前を置き去りにするわけがない」 「シンヤだ。……おれの、もうひとつの名前」 「おれたちを縛りつけるものは、もうなにもないのだから……」 …ごめんなさい、ほとんど全部が素敵(泣笑) |
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●大尉。先任将校兼水雷長。36歳。
●誰よりもフレンドリーな性格はその場の雰囲気を緩和させるのに役立っている。フリッツが「フリッツ少尉」と呼ばれることに嫌悪を感じていることにまったく気づかない素敵な人。空気は読めるが相手の感情までは読み取っていないらしい。読み取っていながらアレなら、相当黒いなこの人(笑) ●絹見艦長がオヤジなら高須先任はオフクロだと思う。 ●映画を先に観ていたので結末は知っていたけど、でも、でもあまりにも切な過ぎます先任! ●《伊507》の乗員中誰よりも壊れていたひとだと思う。そして誰よりも愚直で、潔癖で、そして優しいひとだと思う。 ●問題になっている映画版の高須は「原作序盤フリッツ+土谷中佐÷2=高須軍属技師」という公式の元に石黒賢が演じている。まんま悪役ですよ。酷いよ(涙) 【好き台詞】 「愚直に、過ぎましたかね……?」 |
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●掌砲長。兵曹長。42歳。
●こっそり「無法松」と呼ばれているが、そのあだ名は決して定着していない。口より先に手が出る典型的な厳しい軍人だが、その実若い世代にはかなり目をかけている漢っぷりには感服する。 ●言葉汚くも征人とパウラを励ましこっそり温かく見守っている。結局は征人に甘い。 ●最初からフリッツを敵視。「ヘンジョ事件」以来ますます険悪になるが、そういう過程があってこそ、最後が素晴らしくて涙が止まらない。「立て、掌砲長」で目を開ける瞬間は熱すぎて震えが止まらない。 ●彼の過去はただ単に戦争の悲惨さを物語っているだけではなく、人間としての尊厳を問われる何よりも難しく深いものになっている。 ●そんなわけで、映像化は不可能だったと思われます。人を食べるという表現はいろいろと引っかかりそうだ… ●本の帯の言葉はこの人のセリフから。熱い、熱すぎる…! ●映画ではピエール瀧が好演。 【好き台詞】 「バカじゃなけりゃ、たった一匹で大艦隊にケンカをふっかけるような艦に居残りゃしねえ」 「おれたち大人が始めたしょうもない戦争の痛みを全身で受け止めて、行く道を示してもらいてえんだ」 |
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●PsMB1(ペーエスエムベー・アインツ)、通称ローレライのシステムオペレーター。フリッツの実妹。17歳。
●システムオペレーターとは聞こえがいいが、実際は彼女の能力なくしてはシステムは成り立たない。能力は水を介して物(海戦時は敵艦)を見通すことができるというもの。水といっても水分であれば何でもいい。淡水でも、海水でも、場合によっては血液でも。人の心も読める。 ●フリッツと共に「白い家」に入ってからは人としての扱いを受けてこなかった。ローレライの力を得てからは無数の「なぜ」の問いかけに苦しんでいる。 ●《伊507》の乗員たちの優しさに触れて彼らの力になろうとする健気な姿は、きっと征人じゃなくても惚れるはず。むしろ《伊507》のアイドル。 ●ブラコンだと思われ。なんといってもエブナー兄妹は一蓮托生ですから。 ●征人との結婚は妥協の上にある。しかしそこで掴んだ幸せは何よりも本物だった。 ●終章、彼女の見る夢に涙する人は決して少なくないはず。 ●日本名はアツコ。戦後、征人が手に入れた名前は須藤温子。 ●映画版では香椎由宇が独自の透明感で好演。さすがに歌声は吹き替え(苦笑) 【好き台詞】 「この世界の戦をあまねく鎮めるために…いま私は魔女になる。船乗りたちに死をもたらす魔女ではなく、すべての戦に終わりを告げる終戦のローレライに…」 「みんなの歌声をもう少し聞いていたいから…」 |
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●軍医大尉。軍医長。38歳。
●征人曰く「変な大人」。100%的を得ている表現だと思う。 ●空気を読めない(読まない)素晴らしい人。フリッツにドイツでは長髪が流行っているのかと尋ねるチャレンジャー。殺気などお構いなし。 ●怪我人はいつでも大歓迎。ある意味クワックザルバー。酒乱。どちらの犠牲者も、もっぱら小松。 ●何よりも怪我人・病人を優先する軍医の鑑。彼に逆らうことができる人など《伊507》には存在しない。 ●映画版では國村隼がライカを愛するクールな軍医長を演じてます。 【好き台詞】 「この時岡、どんな事情があろうと、人の命を粗末に扱う者は許しませんぞ……!」 「治療が必要な人間がこれだけいるのに、途中でやめられますか。そんな顔してないで笑ってなさい、歌ってなさい。生きてるって事を無駄にしちゃいけません。最後の一秒まで」 |
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●少尉。甲板士官。24歳。
●偉そうに艦内を怒鳴り散らしつつ、規律を守るのが役目。その真面目一徹な性格ゆえか、大抵の物事のオチは彼に回ってくる。 ●甲板士官のくせに極度の船酔いに悩まされ続けている。フリッツに教えられたデタラメな酔い止め方法を真剣に信じた可哀相な人。 ●離艦のとき、初めて本当の彼を理解することができる。そして、最後は泣く。 ●映画版ではKICK THE CAN CREWのKREVAが英彦ではなく春平という名前になって演じている。おまけに甲板士官ではなく、機関長の下でドイツ語の通訳兼ツッコミ係。 【好き台詞】 「自分は、逃げ出したのではありません!」 「天誅!」 |
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●機関大尉。機関長。《伊507》最年長の51歳。
●機関室では誰よりも自分が一番偉いと信じている。その信念は最後まで曲げられることはない。 ●掌砲長とは違う理由で、「椰子の実」を歌うことができない。 ●ローレライの可能性を限界まで引き出そうとする姿が熱い! ●映画版では小野武彦が豪快な機関長を酒を撒き散らしながら熱演。もしかしたらこの人が一番原作に近いかもしれない。 【好き台詞】 「機関は《伊507》の心臓で、わしはその心臓の主だぞ」 「なんじゃ、みんな寝ちまったのか。つまらん……」 |
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●上等工作兵。17歳。
●征人の親友。特殊潜行艇《海流》の操舵手としての腕を見込まれて、ローレライ回収作戦に召集される。 ●情報屋。読者にはとても都合の良い解説係。 ●フリッツの顔殴ったよこの子…!以後、フリッツにはずっとタメ口。 ●なんだかんだと、征人とパウラの仲を応援しているのが微笑ましい。 ●ウェーク島での彼の存在無しでは第三の原爆は止められなかった。 ●映画版では佐藤隆太が甲子園球児な清永を演じてます。配役は正解だったけど、扱いに納得いかない。あんな死に方あるかい! 【好き台詞】 「くどいのです。くどすぎるのであります」 「味方の格好した奴に撃たれたなんて……父ちゃんたちに言えないよ」 |
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●大尉。航海長。37歳。
●お前今までどこにいたー!と思わせるほど、後半になって突然大役が回ってきた人。 ●責任感は強い。先任の後を任せられるのは彼しかいない。 ●映画では「木崎航海長+高須先任+早川中尉÷3=木崎副長(先任将校)」という公式のもとに柳葉敏郎が演じている。いいとこ取り。 【好き台詞】 「畜生、これからなのにな……」 |
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●中尉。特殊潜行艇《海龍》艇長。33歳。結構若いな。
●清永に「艇長」と慕われる素敵な兄貴分。…その割に、結構地味。愛妻からのお守りを清永に託す。 ●映画では木崎に設定を取られた悲しい人。 【好き台詞】 「貴様の操艇、この目で見たかったんだがな」 |
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●帝国軍令部第一部第一課長。大佐。45歳。
●絹見を《伊507》の艦長に命じた張本人。優秀な人物で、ある意味高潔だが、壊れている。 ●当面はローレライ回収を国のためとしていたが、回収後は自らの目的のために利用する。 ●表現にいちいち「赤い唇」が持ち出される。どんな人物だよ…! ●映画は堤真一。文句無しにカッコイイ大佐。悪役万歳!堤真一万歳! 【名台詞】 「無能は人を殺す」 |
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●海軍技術中佐。38歳。
●戦前に両親が渡米したばかりに、エブナー兄妹とは別の意味で不幸な幼少期を送った人。 ●それをバネにして生きようとした道が、フリッツ曰く「餓鬼の道」。 ●とりあえず登場人物中、もっとも悪役だったことは間違いない。理屈抜きで本当に悪党だと思う。理由はわかるけど同情できない、したくない。(でも好き) ●映画版では「佑」をユウと読み、超絶美少年将校(少尉)として登場。セリフが一つも無いにも関わらず、忍成修吾がその存在感だけで見事に演じきった。画コンテによると、どうやらフリッツの代わりに登場させたらしい。 【名台詞】 「この世界では誰もが独りだよ。特別な力を持ったせいで、ドイツでは少々甘やかされてきたようだな」 「悪魔め…!」 |
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●帝国軍令部第三部第五課長。大佐。45歳。
●浅倉大佐とは同期。 ●浅倉大佐の動きと《伊507》のために駆けずり回り、最後まで頑張った人。 ●その割に、なんとなく報われていない不幸さ。 ●映画版では更に地味になって登場。鶴見辰吾、やっぱり報われない。 ●大尉。35歳。
●大湊大佐のもとで、積極的に浅倉大佐を追う。 ●少尉。24歳。
●中村大尉の後輩で、彼を慕って浅倉大佐追跡を手伝う。 ●戦後は防衛庁の非公然組織の広報課(まさかダイス…!?)に奉職。征人とパウラを見守っている。 |
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